かつては「プライベートで英語を習う」場合は英会話スクールでネイティブに習うことが一般的でしたがいまではオンライン英会話の台頭によりフィリピン人などの「非ネイティブ」に習うことも珍しくなくなってきました。
とはいえやっぱり英語を習う以上は「ネイティブに習いたい」という方も多いはず。が、英語を習いたい方すべてがネイティブに習うべきとは思いません。ネイティブに習うべきでない方がネイティブに習ってもほとんど効果を感じる間もなく英語学習そのものをやめてしまう、というケースも十分にあり得ます。
また、ネイティブとのレッスンはオンライン、オフラインを問わず高額です。経済的にもより効率的に英語を身につけるため、非ネイティブとのレッスンをうまく組み合わせる必要があります。
そこで、オンライン・オフライン含め英語学習歴16年のわたしが考える「ネイティブに習うべき人」を書いてみます。少しでも参考になれば幸いです。
ちなみにここでの「ネイティブ」とは日本語も話せるようなバイリンガルではなく「英語だけでレッスンを行う」ネイティブを指します。
非ネイティブとの会話経験を十分に積んだ人。
まったくの英語初心者は「いきなりネイティブ」は避けるべきです。英語初心者とは「受験英語はそこそこできるがほとんど英語を話した経験がない」も含めます。その理由は以下の2つ。
聴き取れない。
英会話に慣れていないとネイティブの英語を聴きとることは非常に困難です。非ネイティブ講師とのレッスンを十分に積んだとしてもネイティブの英語は聴き取りにくい場合があります。
一方で日本人にとって(英会話講師を務める)非ネイティブの英語は非常に聴き取りやすいです。彼らにとっても母語でないためにリエゾン(複数の単語をつなげて発音すること)がネイティブに比べて弱かったり各単語をしっかり発音してくれるためだと思います。
とはいえ彼らは当然ながら文法的にはちゃんとした英語を話すので、文法を学習しつつ耳を慣らすためには非ネイティブとのレッスン経験を積むべきです。
英語が出てこない。
英会話経験がないと聴き取れないだけでなく言いたいことが言えません。学校での英語学習が目の前の英語を理解することを重視するので、言いたいことを英語で表現することはほとんどありません。学校の英語ができてもアウトプットは話が別です。
英単語を日本語に置き換えることができても言いたいことを英語で表現するにはその訓練が必要です。要はたくさん英語を話す経験を積めばいいんですが、これは相手がネイティブである必要はありません。
ネイティブの英語しか興味がない人。
英語を学ぶ動機は自分の世界を広げたいとか海外旅行を楽しくしたいとかあると思いますが、「映画や洋楽の英語に憧れて」という方もいるかと思います。
非ネイティブ講師の英語も非常にきれいですが、ネイティブとまったく同じかというとそうではありません。
ネイティブ英語にあこがれて英語を学習している人にとって、この「小さな違い」がモチベーションに大きく影響します。気持ちのどこかで「ネイティブは実は違う発音をするんじゃないか」とか「講師の発音は映画のそれとちょっと違う」みたいに思うとせっかくのレッスンに集中できません。
実際は非ネイティブの講師も発音は(通じるという意味で)まったく問題なく、文法的にはむしろ一般のネイティブ・スピーカーより正しいこともあったりするくらいですが、モチベーションの維持のためにはネイティブにこだわるのもありだと思います。
ただし、先に書いたようにある程度の英会話経験がないとすごくたいへんだと思います。
英語ネイティブの現地情報を知りたい人。
米国やオーストラリア、カナダなど、英語より先にそれらの国の文化に興味があってその文化を知りたい場合、そこに住んでいる(住んでいた)人と話すのがいちばんです。例えばオーストラリアへの移住を考えていて、現地の生活について話が聞きたい、という場合などです。
厳密には非ネイティブでも、英語ネイティブ国の現地に住んでいる方との会話でもこういった情報を知ることは可能ですが、現地文化をより深く知っている(可能性が高い)ということでネイティブとの会話が有効だと考えます。
例えばuberやair bnbなどの人気や新しいウェブサービス情報などは(もちろん講師にもよりますが)米国人と話すのがいいですよね。
「英語を話す」ことについてはオンライン英会話スクールの非ネイティブ講師であってもそのクオリティは非常に高く、コストも圧倒的に安いので、とくに初心者の方には非ネイティブ講師とのレッスンがおすすめです。
個人的に上記のような方でないと「いきなりネイティブ講師」はおすすめしません。コミュニケーションの効率が悪すぎ、またコストも高いので長く続かない可能性が高いです。それで英語が嫌になってしまっては本末転倒ですし。
非ネイティブとのレッスンの後にネイティブとのレッスン、というだけでなく非ネイティブとのレッスンを3回、ネイティブとのレッスンを1回みたいなローテーションで受講するのもいいと思います。
ご自身にあった方法をいろいろ試してみてください。
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